はじめに
警察犬は、人間の数千倍とされる優れた嗅覚を持ち、行方不明者を探したり、犯罪捜査を手伝ったりする大切な役割を担っています。特に、警察犬は人間が感知できないほど微細な匂いを識別し、長距離にわたる追跡が可能です。特に、行方不明になった人をできるだけ早く見つけることが求められる場面では、警察犬の力が大いに役立ちます。また、地震や洪水などの災害時にも、がれきの下にいる人を探し出し、救助を助けることもあります。
近年では、警察犬が防犯活動や心理的ケアにも活躍するようになりました。例えば、駅や空港では、不審物や違法薬物の発見に貢献しています。また、事件や災害で心に傷を負った人々に寄り添い、安心感を与える役割も果たしています。

京都府立丹波自然運動公園での警察犬訓練
訓練の目的
2025年3月18日、京都府立丹波自然運動公園で、京都府警南丹署、京都中部広域消防組合、京丹波町消防団が合同で行方不明者を探す訓練を行いました。この訓練は、警察犬の捜索能力を向上させることに加え、警察や消防のチームワークを強化することを目的としていました。
警察犬「ヴレーブ」とは?
ヴレーブは、京都府警に所属する警察犬で、特に捜索活動が得意です。人の匂いをたどる能力が非常に高く、これまでの訓練でもその実力を発揮してきました。警察犬としての厳しい訓練を受け、実際の捜索活動にも参加しています。
警察犬になるには、厳しい選考基準をクリアする必要があります。ヴレーブも、体力・知能・忍耐力が求められる試験を突破し、定期的なテストを受けながら、警察犬としての役割を果たしています。
訓練の内容
この訓練では、行方不明者役を設定し、ヴレーブがその匂いをたどって発見するまでの流れを確認しました。まず、行方不明者役が特定の場所へ移動し、衣服や持ち物などの匂いを残します。その後、ヴレーブは行方不明者の私物から匂いを覚え、地面に残された微細な匂いを頼りに追跡を開始しました。ヴレーブは、地形や天候に関係なく、障害物を避けながら正確に匂いをたどり、最終的に行方不明者役を発見することに成功しました。
また、より実践的な訓練として、がれきの中にいる人を探す訓練や、水辺での捜索訓練も行われることがあります。これらの訓練を受けることで、警察犬はどんな状況にも対応できるスキルを身につけています。
警察犬の役割
警察犬の仕事は多岐にわたります。主な役割として、以下のような活動があります。
- 行方不明者の捜索: 迷子や遭難した人を発見する。
- 犯罪捜査のサポート: 犯人の足跡を追ったり、証拠を見つけたりする。
- 犯人の確保: 犯罪現場で逃走しようとする犯人を追い詰め、警察官をサポートする。
- 警備活動: 駅やイベント会場での警戒活動を行う。
- 大規模イベントでの警備: コンサートやスポーツ大会などの人が多く集まる場での安全確保。
- 違法薬物や爆発物の探知: 空港や施設で危険物を発見する。
- 災害時の救助活動: 地震や土砂崩れの際に、行方不明者を探し出す。
- 心理的ケア: 犯罪や災害の被害者の心を落ち着かせる。

まとめ
警察犬は、行方不明者の捜索や犯罪捜査だけでなく、災害時の救助や防犯活動など、社会の安全を守るために大活躍しています。今回の訓練では、ヴレーブが短時間で行方不明者役を発見し、その高い追跡能力を証明しました。また、悪天候にもかかわらず、匂いを正確にたどることができる点も評価されました。この成果により、警察犬の訓練の重要性が改めて認識されました。今後も警察犬の活躍に期待が寄せられます。

毎日食べるから、こだわりたい
